設計によるセレンディピティ

"The most powerful force in the universe is compound interest."

7/5日『なっとくする数学の証明』から学んだこと

記号論理学では真偽の定まった言明を命題と言う.
命題とは真か偽かの2つの値しか取らない変数だと考える.
このとき命題の事を命題変数ともいう.

「ならば」が,私たちの常識とは少しズレている理由

個別の命題の真偽について私たちが持っている様々な情報が,複合命題としてのならばの意味の解釈を邪魔しているという側面があるから.

トートロジー

トートロジーとは,内容を問わず形式的にいつでもただしくなるほかはない命題.
一般に,ある複合命題が,その中に含まれている命題変数の真偽のいかんに関わらず,いつでも正くなるとき,その複合命題をトートロジー(恒真式)という. トートロジーを同義語反復ということがあるが,内容の如何に関わらずいつでも形式として正しいということになれば,トートロジーを「正しさ」の1つの判断基準として採用することができる.
すなわち,万人が認める正しさとはその命題がトートロジーになっていることだとする.

演繹論理

(A ∧ (A ⇒ B)) ⇒ B
トートロジーであり,形式的にはまったく正しい論理.

帰納論理

(B ∧ (A ⇒ B)) ⇒ A
トートロジーにはならない.
実験を何回も繰り返し,そのたびに同じ結論が得られるならば,Aは真だろうということの蓋然性はだんだんと高くなっていく.それが自然科学の論理.
ちなみに,数学的帰納法も論理記号を使い,内容を表すことができる.

仮説論理

A ∧ B ⇒ (A ⇒ B)
トートロジーである.
具体例で見る限り,現実の仮説論理は正しくない場合もある.
現実問題の仮説論理では,どうしてもAとBの因果関係をはっきりさせる必要がある.
つまり「ならば」という言葉の日常的な意味と数学上の意味の違いが仮説論理の不思議さを作り出している.
純粋な数学研究の場合,多くの数学者は帰納論理などにより確信があるのでAならばBは仮説論理として正しい命題になっている.
しかし今度も,その中間を演繹論理として細かに示して,数学として具体的に論理の鎖を完成する必要がある. 仮説論理は想像力.

背理法

背理法ではどのような些細な矛盾でも証明が完成する.
矛盾とは A ∧ (¬A)

いま,証明したい命題をPとする.
ならば,の真偽の決め方から A ∧ (¬A) が間違いならば,命題Pはなんであっても真になる.
A ∧ (¬A) は常に間違いなので,
A ∧ (¬A) ⇒ P,は真である.

蜂の巣論法,ディレクレの引出し論法

参考文献

瀬山 士郎:『なっとくする数学の証明』講談社, 2013.