設計によるセレンディピティ

"The most powerful force in the universe is compound interest."

ニコマコス倫理学〈上〉 (岩波文庫) 要約

ニコマコス倫理学〈上〉 (岩波文庫)

ニコマコス倫理学〈上〉 (岩波文庫)

第一巻

序説

第一章

棟梁的なもろもろの営みの目的のほうが, 従属する営みの目的より, 望ましい

第二章

「善」が、いかなる学問や能力等に属するものか, を把握することを, 試みなくてはならない

第三章

素材のゆるす程度の厳密を求めることがふさわしい

幸福

第四章

われわれの達成しうるあらゆる善のうちの最上のものは何であるだろうか?

第五章

われわれの求めている善とか幸福とかは 快楽(希:hedone), 名誉(希:timi), 富ではない

第六章

今求められているのは人間の, 行なうべき善, 獲得すべき善

第七章

「人間というものの善」とは、人間の卓越性 (希: arete)に即して
また
もしその卓越性が幾つかあるときは最も善き、最も究極的な卓越性に即しての魂の活動であること、となる

第八章

われわれの規定[それぞれの端初をその場合におけるそれの本性に応じて獲得すること?]は
幸福に関する従来のもろもろの見解に適合する

第九章

幸福とは学習とか習慣づけとかその他何らかの訓練によって得られる

第十章

生者のうち
* 究極的な卓越性に即して活動しているひと
* 外的な善に任意の時日の間だけでなく究極の生涯にわたって恵まれているひと
* 上記のように生活してゆくであろうひと
* それに相応しく死んでゆくであろうひと
以上の諸条件を具有し、そして将来も具有してゆくであろうところのものが至福なる人間

第十一章

生きているひとびとの運, 不運が死者の幸福に影響を及ぼすとしても
それは幸福な死者を幸福でなくすとか, その他そういったことを全然なしえないような性質と
程度のものであると思われる

第十二章

幸福は「尊ぶべきもの」(ティミオン), 究極的なるものに属する

第十三章

卓越性は「知性的な卓越性(徳)」, 「倫理的な卓越性(徳)」と区別される

第二巻

倫理的な卓越性(徳)についての概説

第一章

「知性的な卓越性」は大部分教示に負うものであり, 経験と歳月を有する.
「倫理的卓越性」は習慣づけに基づいて生ずる

第二章

「倫理的卓越性」は「中庸 メソテース」でなすべき

第三章

倫理的な卓越性すなわち徳 アレテー とは, 快楽と苦痛について最善な仕方で行為しうるような「状態」
情念[快楽]を洗い落とすことは困難

第四章

ひとは正しい行為を行なうことによって正しい人となり, 節制的な行為を行なうことによって節制的なひととなるということは妥当である

第五章

倫理的な卓越性すなわち徳 アレテー は, 「状態[=それに即してわれわれが情念への関係においてよくまたはあしくふるまうところのもの]」

第六章

倫理的な卓越性すなわち徳 アレテー は「中庸」(メソテース)の性質の「状態」

第七章

中庸の例

第八章

三通りの様態[悪徳(過超, 不足に偏した), 徳(中庸において成立)]があり, これらはいずれも互いに何らかの仕方で対立している
最大の反対対立は、両極の「中」に対するそれよりも, 両極相互の間におけるそれ

第九章

「中」を目指す人はまず, 「中」に対してより多く反対であるほうの極端[過超, 不足]から遠ざかることを要する
いかなるものに向ってわれわれ自身が傾きやすいかということを見, その反対の方向に自己を引きずって行くことを要する
あらゆる場合に快とか快楽に対して最も警戒しなくてはならない