設計によるセレンディピティ

"The most powerful force in the universe is compound interest."

NHKエヴァ第参話再鑑賞

シンジはなぜ逃げちゃダメだと思ったのだろうか.
ミサトさんの作戦に従い,退却するのは逃げではない.
退却せず,戦うことの方が,生からの逃げではないか?
壱話の逃げずにエヴァに乗る判断と共に,子供の逃げない判断は,賢明な大人のそれとは逆なのかもしれない.

トウジは精神的に大人だ.
自分が初号機のパイロットに対して腹が立っている理由を「悪いな.俺はお前を殴らなイカン」と内省しているからだ.
2発目は,シンジの言い分も聴き,考えた上で,やり場の無い怒りで殴り,シンジもそれを理解しつつ殴られている.
生を確認しているとレイから非常召集の連絡を受け,死と隣り合わせの非日常に,より戻される.

戦闘時,シンジの弾幕を張ってしまう程の攻撃による,恐怖感,焦燥感は理解出来る.冷静ではいられない.

死を覚悟してでも生のドンパチを見たいと,欲望に素直なケンスケが素敵に見える.
生を楽しむには,強い欲求が必要かもしれない.
それに言いくるめられ付き合うトウジは何を考えているのだろうか?
ケンスケが言う,シンジの戦いを見守る責任ではないと思う.
戦いに関係しているはずの研究所勤めの家族のこと,妹のように被害を被る人のこと,「乗りたくて乗っているわけではない」同級生のこと,翻弄される自分についてか?

シンジの電話番号をトウジに渡しコミュニケートを促すケンスケが妙に大人を感じたが,シンジと戦いを共有したことで,3人の友情が堅固になり,かつ,成長したからなのかもしれない.