河野哲也 『境界の現象学』 筑摩書房,2014年.テキスト批評
『境界の現象学: 始原の海から流体の存在論へ (筑摩選書)』を『レポート・論文の書き方入門』17-28頁を参考に,テキスト批評をする.
以下において,『境界の現象学: 始原の海から流体の存在論へ (筑摩選書)』の要約を行い,それについて批評をすることにする.
そこで,要約にあたっては,著者がこの著作で何を論じようとしているのか,そのテーマと問題意識をできる限り明確にすることに努めることにする.
以下,テキストの順を追って,節ごとに著者の主張をまとめた後,それについて私の観点からコメントを付し議論を展開し,最後に全体をまとめることにする.
1. 要約
序章 始原の海のディオゲネス
境界の経験
本書の目的
「境界とそれを超える経験について哲学的に考察すること」(p.9)
存在する境界の様々な形
身体の境界
所有物で引く,自分と他者[他人のもの,みんなのもの,誰のものでもないもの]との境界
物の境界
人間集団のあいだで引かれる境界
自然と人間のあいだに引かれている境界
「顔という人間身体の境界は,動物と人間の境界でもあった」(p.13)
「境界に共通する役割は,私をどこかに帰属させること」(p.13)
「私そのものが身体や物や社会の狭間に成立した境界のようだ」(p.13)
「身体と自然における境界の問題は,同時に社会的・政治的な意味も担っている」(p.14)
始原の海と空気
「あらゆる境界は不安定で移ろいやすい」(p.14)
「水や空気のような流体は,[浸潤し]境界を軽々と超越できる.」(p.15)
「本書は,これらの対比[一連の新しい概念的な対]を用いて本書では,この[私たちの]経験の意味を,現象学というアプローチから探求していく.」(p.16)
浸潤の哲学者,ディオゲネス
本書の展開
前半のテーマは身体の境界
第二部では,環境における境界
第一章 ファッションと産まれることの現象学
皮膚としての自己
随時更新します.
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