哲学者を分類してみる
パースのカテゴリー論を使って哲学者を分類してみるの面白い。プラトンとヘーゲルは典型的な第三性の哲学者。パース自身も第三性にやや傾きがち。アリストテレスとカントはバランス型。ウィトゲンシュタインや永井均は第二性特化型。デカルトも第二性が強いが、中世哲学由来の第三性への感度もある。
— 阿蘇の史(さかん) (@asonosakan) 2017年11月4日
自分のことが書いてあるのでとりあえずリツイートします。「第三性」「第二性」といった用語については、パース『連続性の哲学』(岩波文庫)の第3章「関係項の論理学」に説明があります。 https://t.co/dqlYVLVtxu
— 永井均 (@hitoshinagai1) 2017年11月4日
という,2つのつぶやきを理解したく『連続性の哲学』第3章「関係項の論理学」を読み始めたので,少しずつメモしていく.
- 作者: パース,伊藤邦武
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/07/16
- メディア: 文庫
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第三章 関係項の論理学 p.86
推論は3つのタイプからなる
- 演繹
- 帰納
- 仮説形成
パースの形式論理学は,主要な部分すべてに三肢性を認めるという特徴をもっていた
いずれの推論も
3つの命題と
3つの項[名辞]
からなる.
論理的形式には3つのタイプがある
- 項
- 命題
- 推論
論理学とは記号の研究
記号とは第二のものを,第三のもの[解釈する思考]に向けて表象するもの
記号を研究する方法は3つある
- 記号が意味をもつ一般的な条件にかんする研究
- 記号の真理にかんする研究であり,狭義の論理学
- 記号が他の記号にその意味を転移する条件にかんする研究
さらに,記号一般は次の三肢性の三番目のもの
- 物である限りの物
- 他の物と相互作用する限りでの物
- 他の物を第三者に表象する限りでの物
これら全ての三肢構造が同じ3つの概念を体現していて,それらの概念をカテゴリーと呼ぶことにし,最初,「質」「関係[作用・反作用]」「表象」と名付けた.
最初 | 「質」 | 「関係[作用・反作用]」 | 「表象」 |
現在 | 「第一性」 | 「第二性」 | 「第三性」 |
第一性
定義 あるものがそれ自体で,それ以外のものには無関係に存在しているような存在の様相=「感じ(フィーリング)」
さらに,第一性をもつものは,部分のないもの.
第一性を外から見れば,互いに異なったあらゆる可能な感覚質[qualia]ということになり,人が実際に感じるのはその微小な部分に過ぎない,無限の多様性からなることになる.その無限の多様性のおのおのは他のすべてと同様にまったく単純.
感覚質は絶対的に単純