NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」第3回「自由になるには?」
第3回「自由になるには?」
「親の言いなりになっている自分 自由を獲得するには?」Aさん(28歳女性)
20世紀の"知"のスター フランスの哲学者 ジャン=ポール・サルトル(1905-1980)の言葉が示される.
ノーベル文学賞の辞退,ボーヴォワールとの契約結婚など自由の精神で生きたサルトルは,
「人間は自由の刑に処されている」
と言う.
この意味は,ネガティブな意味ではなく,人間は自由を宿命付けられている,
そして自由に選択したらその責任を負わなければならない,という,
その自由の重さを言っている.
また,サルトルは
「実存は本質に先立つ」
とも述べる.
実存,本質をここではさしあたり,存在,役割に置き換え読む.1
すると,まずは存在があって役割がついてくる.
これは人間のみに当てはまる自由の定義.
車や椅子など,すべての「物」は,役割があって存在があるが,人間だけは違い,存在があって役割がついてくる.
すなわち,「実存は本質に先立つ」
人間だけは最初から役割が定められているのではなく,自分で自由に役割を見つけていく. 全ての人間は自由に選択しながら人生を切り開いて生きている.
ゲストのお悩みはいとうあさこさんの「女性として自信が持てない」
サルトルのパートナーのシモーヌ・ド・ボーヴォワール(1908-1986)は『第二の性』の中で
「人は女に生まれるのではない 女になるのだ」
という.
- 作者: ボーヴォワール,Simone De Beauvoir,『第二の性』を原文で読み直す会
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ボーヴォワールは,「女性」というのは社会がイメージを作っていると考えた.
社会的な女性らしさを意識しすぎないと,一人の人間として魅力的に生きていける.
すると必然的に,女性としても魅力的に生きていける.
「自分の善を知れ」
という.
ここでは,善を自分の本当の姿,いいところと定義し,自分のいいところを知れと読む.2