NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」 第9回「同級生に感じる劣等感をどうにかしたい」
第9回「同級生に感じる劣等感をどうにかしたい」1
「同級生に劣等感 同窓会に行きたくない 」Aさん(40代 女性)
劣等感を人生に前向きに活かすにはどうするか.
劣等感に向き合うといえば,20世紀初頭に活躍した勇気づけの哲学者アルフレッド・アドラー(1870-1937)
アドラーは,30代の頃オーストリアで内科医を営んでいた.
当時,アドラーのもとには近くで働くの遊園地で働くサーカス芸人が患者として訪れていた.
彼らの多くは幼いころ,貧しい生活をおくり,身体が弱かったという.
ここでアドラーはあることに気づく.
彼らは貧しさをバネに体の弱さを克服してハードな仕事をこなしている.
このサーカス芸人のように無意識のうちにマイナスの境遇からプラスの境遇に向かおうとする力,それこそが劣等感だと考えた.
後に精神科医として活躍したアドラー.
劣等感を抱く患者に繰り返し伝えた考えがある.
それは
劣等感は誰もが持っている それは健全な向上心のきっかけになる
悪い劣等感は"他者との比較"から生まれる 良い劣等感は"理想の自分"から生まれる
と,アドラーは言う.
アドラーは劣等感に,悪い劣等感と良い劣等感の2種類あると考えた.
アドラーに言わせると,"他者との比較"を止め,"理想の自分"を追求し始めると,良い劣等感になる."他者との比較"から悪い劣等感が、"理想の自分"との比較から良い劣等感が生まれるという.
理想の自分=好きな自分を追求し始めると,良い劣等感が生まれ,それは健全な向上心のきっかけになる.
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ゲストのお悩みは河北麻友子さんの
「悩みがないのが悩み」
17世紀に活躍した哲学者ブレーズ・パスカル(1623-1662)
偉大な物理学者,数学者でもあり,パスカルの原理を発見・「ヘクトパスカル」の由来.
ただし,18歳の頃からいくつかの病気に悩まされ自分自身も悩みを抱えながら考えて生きてきた人.
パスカルは
人間が惨めであることを知るのは偉大であることなのであること
という.
人間が惨めであることを知る,とは,悩みがある,ということ.
ゆえに,悩みがあるのは偉大なことだとパスカルは考えた.
パスカルは徴税官の仕事が大変だった父の「悩み」に対して,解決するため計算機を発明した. 悩むことはステップアップに繋がるから良いことである.
一方,「幸福論」で有名なアラン(1868-1951)
は
苦悩はため息である
と述べる.
ため息(=苦悩)は,息をためて吐く状態
その状態は正常な状態ではない.
だから,悩むことは良くない.
悩まず前向きに生きましょう,という
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