設計によるセレンディピティ

"The world around you is not what it seems."

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」 第15回「自分の意見がもてない」

「自分の意見が持てない」(20歳 男性)1

16世紀世紀フランスの哲学者 貴族出身 ミシェル・ド・モンテーニュ(1533-1592)

モンテーニュは若いころ人間不信からうつ病に.
故郷に引きこもり読書と執筆の日々を20年続け,
その中で「自分の意見」を持てるようになったという.

著作『ESSAIS』は試すという意味.今のエッセイの語源

人類初のエッセイの中で他人の知識によって物知りになれたとしても賢くなるには自分自身の知恵によるしかないモンテーニュは言う.

モンテーニュ懐疑主義の立場.

モンテーニュ誰もが自分の前を見る 私は自分の中を見る 絶えず自分を観察し 点検し 吟味する とも言う.


思考実験は"告発"を考える.

イマヌエル・カント(1724-1804)は「人間には理性の使い方が2つある」と言う.

理性の私的使用 理性の公的仕様
自分や所属する集団のため 社会のため・世の中のため

ゲストの悩みは紗理奈さんの 「眠れない」

人間の意識や夢について研究した アンリ・ベルクソン (1859-1941)

ベルクソンは, 人は無関心になる程度に応じて眠るのだと言う.

不眠のための哲学書眠られぬ夜のために』が有名なスイスの哲学者ヒルティ(1833-1909)

ヒルティは, 眠られぬ夜をも なお『神の賜物』と見なすのが常に正しい態度であろうと言う.

ヒルティは,自分自身が自分自身に無意識に内に課題を与えている.
それを考え,自分に問いかけるのではなく,一番信頼できる人を想定し,対話すると安心して眠れると考えた.

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」[終]「マニュアル依存な自分。想定外に対応できない」

「マニュアルがないと不安になる」(32歳 男性)1

フランスの哲学者 レヴィ=ストロース(1908-2009)

当時は機械化が進み大量消費の時代.
ものが溢れ人々は便利な生活を謳歌していた.
しかし,レヴィ=ストロースは違和感を感じる.

レヴィ=ストロースは25歳のときに西洋文化から逃れるようにブラジルの奥地に向かった.
そこでレヴィ=ストロースは彼の哲学の根幹となる原住民の暮らしと出会い研究を始める.
そこでは知恵と工夫が溢れていた.

1962年,レヴィ=ストロースは『野生の思考』を著し,先住民から学んだ哲学をまとめる.
この考えは西洋社会に大きな衝撃を与え,大ベストセラーになった.

そこからのお考え.

"あり合わせの知"こそ 最強の知性であるレヴィ=ストロースは述べる.

ブリコラージュ
語源は「ごまかす」「つくろう」を意味する「ブリコレ」
あり合わせのモノを使って必要なモノを作ること

レヴィ=ストロース概念ではなく 記号を使え とも述べる.

概念ではなく記号でみれば,最強の知性である"あり合わせの知"につながる.


思考実験はヒラリー・パトナム(1926-2016)の「水槽の中の脳」から"現実"を考えます.


ゲストの悩みは水道橋さん
「自分の名前に縛られる」

誰もが自分につけられたレッテルを意識してしまうもの.
日本の哲学者 社会における個人のあり方について研究し,文化や芸能にも芸能にも造詣が深い和辻哲郎(1889-1960)

和辻は,
己れ自身のペルソナ(仮面)において行動するのは彼が己の なすべきことをなすのであると言う.

名前に合わせて生きていくのもひとつの道ではないか,と説いた.

スイスの哲学者 「近代言語学の父」と呼ばれ,名前の正体を解き明かしたソシュール(1857-1913)

ソシュールは,
言葉の音と内容の結び付きは恣意的であると述べる.

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」「仕事?家族?中途半端な自分が許せない」

「子育てと仕事、両方が中途半端」(26歳 女性) という悩み1

20世紀の生粋のパリジャンの哲学者,ジル・ドゥルーズ(1925-1995) の思想が紹介される.

ニーチェ,カント,ベルクソンなどの哲学を研究した人で彼らの哲学がドゥルーズ哲学の原点

ドゥルーズは,友人の精神科医 フェリック・ガタリと哲学 思想をユニークな言葉で表した.

例えば,世界は卵である

卵という言葉を使い,世界は潜在的な多様性を秘めていることを示した.

他にも,生成変化,欲望する機械,襞(ひだ),器官なき身体,無限の速度での俯瞰 という言葉を使った.

ドゥルーズは, リゾームになり 根にはなるな 何かを生み出すのは つねにリゾームを通してだと述べる.

リゾーム(地下茎)という概念は,グチャグチャで始まりも終わりもなく中心もない.


思考実験は「タブー」がテーマ.

フランスの哲学者ジョルジュ・バタイユ(1897-1962)はタブーを肯定している.

禁止と侵犯は相補関係にあると考えた.


ゲストの悩みは橋本マナミさん 「生クリームがやめられない」

19世紀スイスの裁判官としても活躍した法学者,哲学者カール・ヒルティ(1833-1909)

ヒルティは, 生活を健康で力強いものにしたければ "正しい喜び"を持つようにしなさいと言う.

19世紀デンマークの「不安」「絶望」などがテーマ 実存主義の先駆者といわれる哲学者,セーレン・キルケゴール(1813-1855)

キルケゴールは,ひとは自制せねばならぬ これは あらゆる享楽の主要条件だと言う.

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」第13回「人を妬んでしまう自分が嫌になる」

「他人を妬んでしまう 腹黒い自分」(47歳 女性)1

19世紀ドイツ,聖職者の名門家系に生まれたニーチェ

ツァラトゥストラ』の中で,いかに負の感情を乗り越えるかが書かれる.

ニーチェ祝福することのできない者は 呪詛することを学ぶべきだという.

ルサンチマンとは,いい人ぶって負の感情をため込むこと

妬んでいる自分を良い人とつくろわず,悪人になって全てを吐き出すべきという

人間は動物と超人の間に張り渡された一本の綱である

超人は超えた人ではなく,超えていく,越えようとする人.他者の価値観や世間体に縛られず,自分の価値観で目標を決めて突っ走れる人.

超人を目指すという事は,ルサンチマンに陥らない処方箋である.


思考実験は現代の社会が問われている「寛容」がテーマ

啓蒙主義の哲学者「人間は間違う動物 寛容であれ」と説いたヴォルテール(1694-1778)

寛容でないと社会は成り立たない.


ゲストの悩みは鈴木砂羽さん 「一度悩むと負のスパイラルに落ち込み、抜け出せない」

フランスの哲学者パスカル(1623-1662)は, 想像は途方もない見積もりをして 小さな対象を われわれの魂を満たすほどまでに拡大するという.

快楽主義,「心の落ち着き」について説いたエピクロス(紀元前341-270)は
明日を最も必要としない者が 最も快く明日に立ち向かうという.

快楽主義=エピキュリアン

BS1スペシャル「欲望の時代の哲学~マルクス・ガブリエル 日本を行く~」の中でのマルクス・ガブリエル氏の発言をまとめます.

note に引っ越しました.

note.mu

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」 第12回「老いていく自分がいやになる」

老いることが怖い」Aさん(44歳 女性)1

思想家・精神科医でもあるユング(1875-1961)

患者と向き合った経験から得た年を重ねる心構えを説く.

ユング
午前の法則を 人生の午後に引きずり込む人は 心の損害という代価を 支払わなければならない

午前から午後へ移行するとは 以前の価値の"値踏みの仕直し"である

と述べます.

ここで言う正午とは,40歳前後のこと
午前の目的は,仕事・地位・子育て
午後の目的は,自分の内面を見つめること


今回の思考実験は友情について

アリストテレス の友情論は友情を3つに分けた

  1. 有用ゆえの友情
  2. 快楽ゆえの友情
  3. 相手のために善を願う友情

3の友情までには時間がかかる,そして,自分に徳がないとダメ


カンニング竹山さんの悩み 「日ごろからイライラしてしまう」

高校教師をしながら活動し,『幸福論』を著したフランスの哲学者アラン(1868-1951)

アランは怒りについて
もし咳がでても その悲劇を 最初の段階だけにとどめておけたら トローチはいらないだろう

という.

咳とは,怒りのこと

三木清(1897-1945)48年の生涯で多くの著作を残した『人生論ノート』は不朽の名作

三木は

怒りを避ける最上の手段は 機智である

という.

機智とは,wit,ユーモア,皮肉,とんちのこと

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」 第11回「人の目が気になる」

第11回「人の目が気になる」1

「世間の目が気になる」(33歳 女性)

世間の評判が気になって苦しいという悩み。

20世紀イギリスの哲学者・数学者「幸福論」の著者でぶれない生き方を貫いた哲学者 バートランド・ラッセルが「世評」にまつわるお考えを提示する.

ラッセルは,
世評とは世評に無関心な人よりも世評を怖がっている人に対して暴虐である という.

ラッセルが言いたかったのは,私たちの態度によって世間は顔を変えるということ.

そして,
突飛な意見を持つことを恐れるな 今日認められている意見は皆 かつては突飛だったのだ ともいう.

常識に反することを言うのを恐れるなという意味.

ラッセル幸福論 (岩波文庫)

ラッセル幸福論 (岩波文庫)


萬田久子さんの悩み「愛犬の死が怖い」

ドイツの哲学者で愛犬家・ショーペンハウアー(1788-1860)は
動物の方が我々よりもはるかに多く 単なる現存在のうちに満足を見出している という.

動物の方が我々よりもはるかに多く 今に満足を見出している という意味.

幸福について―人生論 (新潮文庫)

幸福について―人生論 (新潮文庫)

1世紀に活躍した古代ローマの哲学者・セネカ
われわれの享ける生が短いのではなく われわれ自身が 生を短くする という.

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)