設計によるセレンディピティ

"The world around you is not what it seems."

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」「仕事?家族?中途半端な自分が許せない」

「子育てと仕事、両方が中途半端」(26歳 女性) という悩み1

20世紀の生粋のパリジャンの哲学者,ジル・ドゥルーズ(1925-1995) の思想が紹介される.

ニーチェ,カント,ベルクソンなどの哲学を研究した人で彼らの哲学がドゥルーズ哲学の原点

ドゥルーズは,友人の精神科医 フェリック・ガタリと哲学 思想をユニークな言葉で表した.

例えば,世界は卵である

卵という言葉を使い,世界は潜在的な多様性を秘めていることを示した.

他にも,生成変化,欲望する機械,襞(ひだ),器官なき身体,無限の速度での俯瞰 という言葉を使った.

ドゥルーズは, リゾームになり 根にはなるな 何かを生み出すのは つねにリゾームを通してだと述べる.

リゾーム(地下茎)という概念は,グチャグチャで始まりも終わりもなく中心もない.


思考実験は「タブー」がテーマ.

フランスの哲学者ジョルジュ・バタイユ(1897-1962)はタブーを肯定している.

禁止と侵犯は相補関係にあると考えた.


ゲストの悩みは橋本マナミさん 「生クリームがやめられない」

19世紀スイスの裁判官としても活躍した法学者,哲学者カール・ヒルティ(1833-1909)

ヒルティは, 生活を健康で力強いものにしたければ "正しい喜び"を持つようにしなさいと言う.

19世紀デンマークの「不安」「絶望」などがテーマ 実存主義の先駆者といわれる哲学者,セーレン・キルケゴール(1813-1855)

キルケゴールは,ひとは自制せねばならぬ これは あらゆる享楽の主要条件だと言う.

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」第13回「人を妬んでしまう自分が嫌になる」

「他人を妬んでしまう 腹黒い自分」(47歳 女性)1

19世紀ドイツ,聖職者の名門家系に生まれたニーチェ

ツァラトゥストラ』の中で,いかに負の感情を乗り越えるかが書かれる.

ニーチェ祝福することのできない者は 呪詛することを学ぶべきだという.

ルサンチマンとは,いい人ぶって負の感情をため込むこと

妬んでいる自分を良い人とつくろわず,悪人になって全てを吐き出すべきという

人間は動物と超人の間に張り渡された一本の綱である

超人は超えた人ではなく,超えていく,越えようとする人.他者の価値観や世間体に縛られず,自分の価値観で目標を決めて突っ走れる人.

超人を目指すという事は,ルサンチマンに陥らない処方箋である.


思考実験は現代の社会が問われている「寛容」がテーマ

啓蒙主義の哲学者「人間は間違う動物 寛容であれ」と説いたヴォルテール(1694-1778)

寛容でないと社会は成り立たない.


ゲストの悩みは鈴木砂羽さん 「一度悩むと負のスパイラルに落ち込み、抜け出せない」

フランスの哲学者パスカル(1623-1662)は, 想像は途方もない見積もりをして 小さな対象を われわれの魂を満たすほどまでに拡大するという.

快楽主義,「心の落ち着き」について説いたエピクロス(紀元前341-270)は
明日を最も必要としない者が 最も快く明日に立ち向かうという.

快楽主義=エピキュリアン

BS1スペシャル「欲望の時代の哲学~マルクス・ガブリエル 日本を行く~」の中でのマルクス・ガブリエル氏の発言をまとめます.

note に引っ越しました.

note.mu

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」 第12回「老いていく自分がいやになる」

老いることが怖い」Aさん(44歳 女性)1

思想家・精神科医でもあるユング(1875-1961)

患者と向き合った経験から得た年を重ねる心構えを説く.

ユング
午前の法則を 人生の午後に引きずり込む人は 心の損害という代価を 支払わなければならない

午前から午後へ移行するとは 以前の価値の"値踏みの仕直し"である

と述べます.

ここで言う正午とは,40歳前後のこと
午前の目的は,仕事・地位・子育て
午後の目的は,自分の内面を見つめること


今回の思考実験は友情について

アリストテレス の友情論は友情を3つに分けた

  1. 有用ゆえの友情
  2. 快楽ゆえの友情
  3. 相手のために善を願う友情

3の友情までには時間がかかる,そして,自分に徳がないとダメ


カンニング竹山さんの悩み 「日ごろからイライラしてしまう」

高校教師をしながら活動し,『幸福論』を著したフランスの哲学者アラン(1868-1951)

アランは怒りについて
もし咳がでても その悲劇を 最初の段階だけにとどめておけたら トローチはいらないだろう

という.

咳とは,怒りのこと

三木清(1897-1945)48年の生涯で多くの著作を残した『人生論ノート』は不朽の名作

三木は

怒りを避ける最上の手段は 機智である

という.

機智とは,wit,ユーモア,皮肉,とんちのこと

NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」 第11回「人の目が気になる」

第11回「人の目が気になる」1

「世間の目が気になる」(33歳 女性)

世間の評判が気になって苦しいという悩み。

20世紀イギリスの哲学者・数学者「幸福論」の著者でぶれない生き方を貫いた哲学者 バートランド・ラッセルが「世評」にまつわるお考えを提示する.

ラッセルは,
世評とは世評に無関心な人よりも世評を怖がっている人に対して暴虐である という.

ラッセルが言いたかったのは,私たちの態度によって世間は顔を変えるということ.

そして,
突飛な意見を持つことを恐れるな 今日認められている意見は皆 かつては突飛だったのだ ともいう.

常識に反することを言うのを恐れるなという意味.

ラッセル幸福論 (岩波文庫)

ラッセル幸福論 (岩波文庫)


萬田久子さんの悩み「愛犬の死が怖い」

ドイツの哲学者で愛犬家・ショーペンハウアー(1788-1860)は
動物の方が我々よりもはるかに多く 単なる現存在のうちに満足を見出している という.

動物の方が我々よりもはるかに多く 今に満足を見出している という意味.

幸福について―人生論 (新潮文庫)

幸福について―人生論 (新潮文庫)

1世紀に活躍した古代ローマの哲学者・セネカ
われわれの享ける生が短いのではなく われわれ自身が 生を短くする という.

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

NHK 世界の哲学者に人生相談 第10回「いやな記憶に向き合う」

第10回「いやな記憶に向き合う」1

「過去の嫌な記憶 忘れることができない」(44歳 女性)

この悩みにフランス19世紀後半の哲学者・アンリ・ベルクソン(1859-1941)が考えを示す.

ベルクソンは,人の意識,時間,自由,心身の関係を説いた,生命の哲学者の元祖.

当時は,近代化が急速に進み,科学が進歩する.

ベルクソンは,都合の良い結果だけ発表し,わからないことにはフタをする,科学の姿勢を批判.

特に,時間の概念に噛み付いた.

1時間は60分 1日は24時間と時間を区切ったことで,人は時間に支配されて窮屈になってしまったと論じた.

ベルクソンは,時間は体感する記憶によって変化していると考え,

あらゆる知覚は すでに記憶なのだ

と言う.

ベルクソンの言う知覚は,暑い,痛いなどの身体の感覚と,ツライ,悲しいなどの心の感情まで含めている.

何かを見た(知覚した)ときに,すでに記憶がその何かに影響を与えている,というようなイメージ.

知覚が過去の記憶に左右される.

記憶を呼び起こすこととは 想像することで 回想することではない

とも言う.

回想することではない とは,単に過去の事実を思い返すことではない ということ.

過去の事実を思い返すたびに知覚も混ぜ合わされる.

記憶は時と共に上塗り,更新され,肥大化する.

これが,記憶を呼び起こすこととは 想像することで 回想することではないということ.

時間と自由 (岩波文庫)

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磯野貴理子さんの悩み

「心配しすぎな自分。能天気になりたい」

古代中国の哲学者・孔子(紀元前552-479)の考えが示される.

孔子は,より良い人間関係を築くための道徳的な考え方を説いた.

孔子の教えが儒教

儒教とは,人が生きるために大切な道徳的 教訓.

五徳(仁,義,礼,智,信)を積むことが人間関係を築くために必要だと説いた.

儒教の経典の1つ『論語』には孔子の教えがわかりやすくまとめられている.

孔子の思想は『論語』を通じ2000年以上語り継がれる.

孔子は,いつも3回考えて行動に移す心配性な役人に対し

再びせば 斯れ可なり

と言う.

2回考えればちょうどいい,という意味です.

論語 (岩波文庫 青202-1)

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NHK「100分de名著」ブックス 孔子 論語

NHK「100分de名著」ブックス 孔子 論語

日本の昭和初期に活躍した九鬼周造(1888-1941)は

すべては偶然に支配されている

と言う.

偶然性の問題 (岩波文庫)

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NHK Eテレ「世界の哲学者に人生相談」 第9回「同級生に感じる劣等感をどうにかしたい」

第9回「同級生に感じる劣等感をどうにかしたい」1

「同級生に劣等感 同窓会に行きたくない 」Aさん(40代 女性)

劣等感を人生に前向きに活かすにはどうするか.
劣等感に向き合うといえば,20世紀初頭に活躍した勇気づけの哲学者ルフレッド・アドラー(1870-1937)

アドラーは,30代の頃オーストリアで内科医を営んでいた.
当時,アドラーのもとには近くで働くの遊園地で働くサーカス芸人が患者として訪れていた.

彼らの多くは幼いころ,貧しい生活をおくり,身体が弱かったという.
ここでアドラーはあることに気づく.
彼らは貧しさをバネに体の弱さを克服してハードな仕事をこなしている.
このサーカス芸人のように無意識のうちにマイナスの境遇からプラスの境遇に向かおうとする力,それこそが劣等感だと考えた.

後に精神科医として活躍したアドラー
劣等感を抱く患者に繰り返し伝えた考えがある.
それは
劣等感は誰もが持っている それは健全な向上心のきっかけになる
悪い劣等感は"他者との比較"から生まれる 良い劣等感は"理想の自分"から生まれる
と,アドラーは言う.

アドラーは劣等感に,悪い劣等感と良い劣等感の2種類あると考えた.
アドラーに言わせると,"他者との比較"を止め,"理想の自分"を追求し始めると,良い劣等感になる."他者との比較"から悪い劣等感が、"理想の自分"との比較から良い劣等感が生まれるという. 理想の自分=好きな自分を追求し始めると,良い劣等感が生まれ,それは健全な向上心のきっかけになる.

人生の意味の心理学〈上〉―アドラー・セレクション

人生の意味の心理学〈上〉―アドラー・セレクション

嫌われる勇気

嫌われる勇気


ゲストのお悩みは河北麻友子さんの

「悩みがないのが悩み」

17世紀に活躍した哲学者ブレーズ・パスカル(1623-1662)
偉大な物理学者,数学者でもあり,パスカルの原理を発見・「ヘクトパスカル」の由来.
ただし,18歳の頃からいくつかの病気に悩まされ自分自身も悩みを抱えながら考えて生きてきた人. パスカル
人間が惨めであることを知るのは偉大であることなのであること という.

人間が惨めであることを知る,とは,悩みがある,ということ.
ゆえに,悩みがあるのは偉大なことだとパスカルは考えた.

パスカルは徴税官の仕事が大変だった父の「悩み」に対して,解決するため計算機を発明した. 悩むことはステップアップに繋がるから良いことである.

一方,「幸福論」で有名なアラン(1868-1951)


苦悩はため息である と述べる.

ため息(=苦悩)は,息をためて吐く状態
その状態は正常な状態ではない.
だから,悩むことは良くない.
悩まず前向きに生きましょう,という

パンセ (中公文庫)

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幸福論 (岩波文庫)

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ポジティブ哲学! ―三大幸福論で幸せになる―

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