誤解しやすい論理の基礎
命題とは
真偽が定まる数学的主張
命題の間の演算が定義でき,演算の結果も命題である.
- pとqが命題であるとき,「pまたは(∨)q」には注意が必要
それは,pとqの少なくとも一方が真のときに真であり,
両方が偽であるときにのみ偽となる命題のこと.
日常語で
「A君は社会または理科の試験が満点だった」
と言うと,両方の試験が満点の場合は除外されているように聞こえる.
しかし,数学の論理としては,両方とも満点の意味も含まれる.
たとえば,
「整数nは2の倍数であるか,または3の倍数である」
と言うときには,nが6の倍数であっても構わない.
- pとqが命題であるとき,
「pならば(⇒)q」の否定文を「p⇒¬q」
と言う人がとても多いが,
これは誤りで,「p⇒q」が主張していることは,「pが真のときはqも真になる」ということだけであって,
pが偽の場合は,qについてはどちらでも構わない.
したがって,
「p⇒q」の否定文は「pかつ(∧)¬q」
日本語で
「体温が38℃以上ならば病院に行く」
というと,
体温が37℃で病院に行く
のは除外されるように聞こえる.
しかし,数学の論理としては,37℃で病院に行っても構わない.
必要条件,十分条件 の覚え方
それは最低限「必要」なことだよ
それだけやれば「十分」だよ
必要も積もれば十分となる
参考文献
1) 戸川, 中嶋, 杉原, 野寺:『インターネット時代の数学』共立出版, 1997.
- 作者: 戸川隼人,中嶋正之,杉原厚吉,野寺隆志
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 1999/01/10
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2) 芳沢光雄:『算数・数学が得意になる本』講談社現代新書,2006
- 作者: 芳沢光雄
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3) 結城浩:『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』ソフトバンククリエイティブ,2009.
数学ガール ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
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